私の2025年は、FGOの福袋ガチャで、高杉晋作を2枚抜きする幸運から始まった。
一緒にガチャを引いていた弟に言われた。「おまえの2025年は終わったな」と。勿論冗談だ。軽々に互いを貶すような兄弟関係は、30年近くも続けられない。冗句だと分かっていたから、私も洒落た文句で返した。あの時は、それだけだった。
「終わったんじゃない。ここから始まったんだよ」
言霊というものはあるものだ。本当にこの2025年が始まり、再起、再始動の年となった。
夏も盛りの病院帰り、ビル一棟を占拠した百円ショップの一隅で、私は、第38回ファンタジア大賞にて、末席に座らせてもらえることを知らされた。12年振りにやっと、夢を叶える、叶え続けるためのチャンスをいただけた。……後はもう、ずっと我武者羅だ。
頑張って頑張って頑張って頑張って…………それしか能のない私は、書いて直して削って増やして、ほとんどずっと、それに一年の後半は費やしていたと思う。しんどくなかった訳ではない。断腸の思いすら幾度もあった。
けど、やはり楽しかった。ずっとずっと、楽しかった。
私は、小説を書いて生きていきたいのだと、何百回目かの再認識をした。
――――私生活でも、随分な変容があった。
まず、『学園アイドルマスター』に嵌まった。今、このブログを打っているモニターの周りには、30人以上の篠澤広が犇めいている。曲も随分聴いた。13人の1stシングルを歌うことなら楽に可能なくらいには聴き込んだ。楽しみがひとつ増えた。生きる楽しみを増やせた。……大袈裟だと笑うかもしれないが、引きこもりにとっては重大事項だ。
次に、『Fate/Grand Order』がひとつの区切りを迎えた。元々別段戦うような腹積もりではなかったけれど、『敵わないな』と思わされた。それほどまでに、10年に及ぶシナリオは遠大で壮大で、繊細で爽快だった。8年半、マシュや清姫と共に、あの旅を味わえたことは僥倖だった。数百人に及ぶ英霊たちと辿った星の旅路を、私はきっと、死ぬまで忘れない。本当に楽しかった。
サイトを立ち上げた。カクヨムに小説を載せ始めた。……まさか、公開停止に追い込まれる作品が出るだなんて予想外だったが、今やそれすら笑い話だ。『不適切だ』と激昂させるに足るほどに、私の描写が真に迫っていたという証左でもあるのだから。――――まぁ、その内どこかで再開させる予定だが。
諦めは悪いんだ。こんなところまで来てくれる物好きな方々なら、とっくにご存知の通り。
妙なことも立て続いた。どうにも、家電製品の故障が相次いだのだ。iPadや電源ケーブル、ノートPCなんてマシな方で、夏場にエアコンが壊れた時は、寝る度に死を覚悟したものだ。クローゼットの奥で埃をかぶっていたサーキュレーターがなかったら、私もPCも、お釈迦になっていたかもしれない。
他にも相応に色々あったが…………それもこれも、身に余る幸運を授かるのに必要な手順だったのかと思えば、悪い気もしない。非科学的なことを嫌う人には申し訳ないが、縋る藁を選んでいられるほど、私に余裕はなかったし、プライドも捨てていた。実際にこうして、順調に物事が進んでいること自体が、私にとっては奇跡だ。後は、奇跡を続ける努力を、私がしていくだけ。ふふ……なんとまぁ、無理難題。本当、やり甲斐しかない――――死ぬ時に、生きていてよかった、そう思えるようになるまで、死に甲斐のある人生を続けていこうと思う。
来年、2026年は、叶えたいことばかりある。後からどうとでもなることから、その瞬間にしか叶えられないことまで、たくさん、たくさん。――――欲張りな、否、欲張ってもいいかもと、ほんの少し増長した私は、その全部に手を伸ばしたい。望んでも叶わないことは多いけれど、臨まなければ叶わない。手を伸ばすチャンスは貰えた。だから後は、爪の先でもいい、届くまで精一杯、肩の関節が外れてでも、伸ばすだけだ。我武者羅に。
生憎、ファンタジア文庫から刊行させていただく受賞作について、まだ全然なんにも決まっていない。なのでこのインターネットの場末にて、こっそりお教えできることさえなーんにもない。
ただ幸運なことに、此度は人に恵まれた。『必ず出版させる』『絶対にヒットさせる』そんな想いを共有し、方々からお墨付きをいただいた社会不適合者な私に、とことんまで付き合ってくれる方と、共に戦えている。恐らくは2026年のどこかで、誰か美麗なイラストを描く絵師様に絵をつけていただき、校正さんや印刷所様等々、多くの方々の手を借りて、店頭を彩ることができると思う。そうあってほしい。
その時にはまた、Xでもこのブログでも、盛大に発表していきたいと思う。……まずはそれを成し遂げることが、第一の目標。
シリーズ化してやる。コミカライズしてもらう。アニメ化の話を頂戴する。……欲張りなことだ。次から次へと、叶えたい願いが出てくる。ほんの少し前まで、『受賞したい』の一点張りだったのに。
随分と欲張りに、我儘に、なれた。
嗚呼、今年は本当に、目が醒めるような一年だった。
