マジンノイノチ

 毒親の元に生まれ、凄惨な虐待を受けて育った少年・霧岡静。彼の苦難は、母親が自殺し、父親が逮捕された程度では止まらなかった。母方の親族に引き取られた静は、家に上げてもらうことすら許されず、蔵の中に軟禁されていた。違法な児童労働に従事させられ、給金の大半を搾取されていた。加えて、『犯罪者の子供』であることを理由に、学校でも権力者たちのサンドバッグに選ばれてしまい、常に生傷が絶えない生活を余儀なくされていた。
 せめて、楽になりたい。だが死ぬのはダメだった。『保護者』に禁じられているから。
 静の母親は、首を吊る直前、静に呪いを遺して逝った。悪魔のような男から生まれた静には、助けてもらえる資格などないのだと。だがそれでも、静は楽になりたかった。助かりたかった。故に、救いようのない自分ですらも、救ってくれるだろう存在に縋った。

 禁忌だとは分かっていた。それでもなお、静は救いの手を欲しがった。伸ばした手で、無垢な子供の首を絞め上げていた。

 悪魔への、生贄を捧げる儀式。泣きながら死体を解体する静の元へ――――飄々と、声をかけてくる少女がいた。真っ白な髪、白過ぎる肌、血のように真っ赤な瞳。まるで、蛇のような少女。

 不幸過ぎる少年と、蛇に魅入られた不死身の少女。幸せになるために罪を重ねる、淫靡で罪悪な日々が幕を開ける――――