牟田口華廉には分からなかった。皆目さっぱりこれっぽっちも、理解ができなかった。
同級生の不死川弘士は、虐めっ子4人から執拗なまでの虐めを受けている。トイレに避難して食事をしているところに、上から水をかけられるなんて日常茶飯事だ。確かに弘士は、長い白髪に、左右で色の違う瞳と、他人と違う要素は多い。だが、それがどうして迫害をする理由になるのか、華廉には全っ然分からなかった。
分からなかったから、だから、訊くことにした。口で訊いても答えないから、その身体に、直接。
結局、答えないまま物言わぬ肉塊になってしまった『それ』を、どう処理したものかと困っていたところに――――彼は、現れた。まるで勝手知ったる様子で、死体を解体する方法を語り出す不死川弘士――――けど、目撃者は、消さないといけない。
振るった凶刃を防いだのは、弘士の腕――――否。
義手の中に仕込まれた、ひと振りの日本刀――――ずるりと腹を貫く、その一閃から始まった。『どうして人は人を虐めるのか?』という疑問に取り憑かれた少女が、殺人鬼へと成り果てる一本道が…………。