とある雪の日、神無憑懐希は住み込みのバイト先から追い出された。
実の親に捨てられ、施設では男たちの慰み物として虐げられ、口減らしにと放り出された彼女は、襤褸切れしか纏うものがなく、底冷えする冬の寒さに、凍死と餓死の危機に瀕していた。
そんな、あまりに不幸過ぎる少女に対し、巨大な蛇が声をかけた。
「ふざけんなよ、神無憑懐希。生き汚く生きるしか能のない、高が人間風情の分際で」
人間の幸不幸を左右する、『運氣』と『邪氣』。それによって生まれた『神々』。その末席に位置する凶神は、10年前の施しに報いるため、世界で一番不幸な少女へと手を差し伸べる。
スピリチュアルな復讐から始まる、少女が幸福になるための物語――――開幕。